Title |
八百万の神 |
Date |
2016-12-21 - 2017-01-27 |
現代美術センターCCA 北九州では、ロンドンを拠点に活動するローラ・オールドフィールド・フォードの新作を発表します。
CCAでの展覧会で、フォードは、新しいオーディオ作品と、一連の歩きや「漂流」から生まれるドローイング、コラージュ、大判のポスターを組み込むインスタレーションによって、北九州という都市への取り組みを示します。 まず焦点が当てられるのは、八幡の製鉄所、小倉のアーケード街や市場、そして皿倉山麓の傾斜地に立ち並ぶ住居です。彼女の作品は、景観や都市論、記憶を取り巻く考えに大いに関連しています。この展覧会は、1970年代の北部イングランドで自身が願った将来に直面することが何を意味するかを考えるものです。 北九州は、フォードにとって果たされなかった未来、新自由主義への道が避けられていたなら、ヨークシャーがそうであったかもしれない理想像に見えます。 機能的で活気に満ちた産業都市に暮らし働くという経験と、彼女が育った地域の工業の廃墟とは、まるで正反対のことのように見えます。移り住むことや流浪の身となる経験、そして「家」との関係性にフォードはつねに関心を寄せ、見知らぬ土地のただなかで、記憶が形作られる場でさまざまな魔法や幻覚として出くわすことに魅せられるのです。
展覧会のタイトルは、神道のアニミズム的な伝統、私たちの住む現実世界に隣接する領域に無数の精霊や神が宿るという考え方によります。 この世界に平行する霊の世界と共に歩むという感覚は、何かが付きまとうとか幻影といった思いが常にあるフォードの作品と共鳴します。目に見えないものは最も強大な影響力を及ぼします。 フォードにとって八百万の神や霊の無限の領域は、来るべき新たな未来のアナロジーなのです。
ローラ・オールドフィールド・フォードは、2016年11月11日から12月17日までCCA北九州に滞在しました。
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