ケレン・シター

Title
Date
2009-10-07 - 2009-11-07

CCA北九州プロジェクト・ギャラリーでは、ベルリンを拠点に活動するケレン・シターの新作を発表しました。

CCAのプロジェクトとして発表されたのは、シターが数日前に書いた悲劇的な話を映像作品に脚色したものです。その話は、すでに数日のあいだシターが書き綴っている日記の一部で、書くというプロセス自体のあいだに自分の感情や記憶を再現していくのです。

「…親愛なる日記へ。マーカスはついさっき帰った。私はいまだに寝つきが悪い。朝の6時にようやく眠れた。マーカスがベッド脇のトイレに入るのが聞こえた。昨日マーカスはアンドリューを訪ねてきた。私たちは『デクスター』の一話を一緒に見た。今日は私の2日目の日記。午前10時だ。マーカスのギャラリーが、インターンの一人がちゃんとやっているかどうか訊いてきた。彼女はベルリンに5ヶ月住んでいたアメリカ人だ。アメリカに里帰りして、ベルリンに戻ってからもう5日たっている。以来、誰とも連絡をとっていなかった。恋人からギャラリーに電話があり(彼はアメリカにいる)、彼女が無事かどうか確認してほしいと頼んできたのだ。アンドリューと私は、ダフナに会うためにギャラリーのオープニングに行った。それは彼女がベルリンにいる最後の日だった。オープニングで、私たちはたくさん笑ったし、みんなが笑いかけてくれるのを見たし、行ってよかった。ダフナのことはすごく好きだから、ぜんぜんストレスにならなかった。私たちはずっと言葉遊びをしていて、例えばそれは、アンドリューは性病にかかった-どうして病気になったんだろう?-彼の自転車のせいだ-病名はBMX(競技用の小径自転車)、といった感じ。ダフナに日記を書いていることを話した。彼女はそこに自分のことを書いてほしいと、私と同じベッドを使っていた夢を見たと話してくれた。アンドリューも私の夢を見たことを思い出し、私は2年前にその話を聞いたことを思い出した-彼のベッドに裸で座っていた私は、アフロディテだったと。ダフナは、私は心のBMXだと言った。まだ酔いが足りなかったので、居心地が悪かった。ダフナのビール瓶をずっと見ていた。みんなでずっと笑っていた。その後、家に帰って食べ物を頼んだ。アンドリューはマーカスからのSMSメッセージを受け取ると、女の子が死んでいるのが見つかったとあった。アンドリューが『くそっ』と言ったのは、とても芝居っぽかった。私は無頓着にしていた…」

ケレン・シターは、リサーチ・プログラムの教授として2009年9月から10月にかけて3週間CCA北九州に滞在しました。

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ケレン・シター
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2009-10-07 - 2009-11-07

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