Title |
2匹の月のうさぎ |
Date |
2010-02-01 - 2010-03-05 |
CCA北九州プロジェクト・ギャラリーは、ジョーン・ジョナスの新作を発表しました。
「2匹の月のうさぎ」の中で、ジョナスは、日本でおなじみの月の中のうさぎのイメージを探っていきます。アステカの伝説にも類似の物語があることから、ヴィデオ上映用の舞台としてのもろい彫刻的な外形と、かつて想像上のパフォーマーに使われ捨てられた小道具などによるインスタレーションのなかで、そのふたつの物語を並べていきました。
日本の伝承によると:猿と狐、うさぎは、すぐれた善行をすると、よりすばらしい報いが得られると考え、人のためになることをしようと決心しました。ある老人が食べ物を乞うた時、猿は木から果物を集め、狐は川岸から魚を捕まえてきました。うさぎは、草を集める方法しか知らなかったので、代わりに火の中に飛び込み、自らを食物としてささげたのです。しかしうさぎは、焼かれることはありませんでした。老人は神としての姿を現し、その美徳に胸を打たれ、その姿が万人に見えるように、うさぎの姿を月に残したのでした。
アステカの伝承では:ケツァルコアトルが人間として地上に暮らしていた頃、旅に出ました。長く歩いたので、餓えのため死が頭をよぎりました。すると、近くで草を食べていたうさぎが、その命を救おうと自らを食物として捧げます。その崇高な申し出に心を打たれたケツァルコアトルは、うさぎを月まで昇らせ、そして、また地球に戻し言いました。「おまえはただのうさぎかもしれない。でも、おまえのことを誰もが忘れずにいるだろう。あらゆる人のために、いつどんなときでも月の光のなかにおまえの姿があるのだ。」
ジョーン・ジョナスは、リサーチ・プログラムの教授として2010年1月5日から2月2日までCCA北九州に滞在しました。
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Category |
プロジェクト・ギャラリー |
Artist |
ジョーン・ジョナス |
Date |
2010-02-01 - 2010-03-05 |