Title |
岐舌 |
Date |
1999-01-29 - 1999-02-18 |
CCA北九州プロジェクト・ギャラリーは、シェン・ユアンの新作を発表しました。
「岐舌」というこの作品は、笛のように吹くと、延びたりする丸まったりする子どもの玩具に想を得て、同じ仕掛けを使って作られました。天井から吊り下げられた巨大な舌は、上に巻き上がっているときにはまるでそこに存在しないかのようでありながら、一旦床に向かって舌が延びると、そこにいる人たちを脅かします。この舌の先は二つに分かれています。中国では古来より言われる「反舌」あるいは「岐舌」という言葉は、遠方民族の使う舌音、口のなかで立てるドゥルドゥルという音を示すとともに、二つに分かれた舌を持つ者は、二つのことを同時に言おうとすることからものを不明瞭に話すことを意味します。そして、この時代の新しい現実として、異境の地に暮らす人々をめぐる移民という問題をを示すとともに、不明瞭かつ両義的な言葉を使うがゆえの、言いたいことが言えない、意味が伝わらないというという苦境からくる孤立した状況とも関連しています。
シェン・ユワンはリサーチ・プログラムの教授として、1998年12月16日から1999年1月31日までCCA北九州に滞在しました。
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