Title |
ピンクの錆 |
Date |
2019-04-15 - 2019-06-07 |
現代美術センターCCA北九州では、新プログラム「20+」を昨年度よりスタートしました。
「20+」は、現在キャリアを伸ばしつつあるアーティストに焦点を当て、その活動の中で重要なチャレンジにつながる、新たな考えに取り組む機会を提供することを目指すものです。
CCA北九州は1997年の設立以来、アーティストを中心に、建築や科学などを含む様々な分野の第一線で活躍する研究者たちとプロジェクトを行うと同時に、2015年にスタートした「フェローシップ・プログラム」など、若いアーティストを対象としたプログラムも設立当初から積極的に行っています。
「20+」は、プログラムがスタートした2018年がCCAの21年目であること、そして変化し続けるアートの世界において、常に新しい視点を探求していくことを意味します。
CCA北九州は、2019年度20+プロジェクトの第一回目として、ミラノを拠点に活動するサラ・ベナグリアの新作を発表します。
「『ピンクの錆』では、女性に関する呼称について疑問を投げかけていきます。それらは「同じストーリー」を、(再)制作する上で本質となる言語の要素です。そして私たちは「違わない」と、一つの型にはめることで、自分で自分を評価することから離れてしまうのです。とりとめがなくなる、または似ているとも言えるでしょう。そうした呼称により形式化され、暗号化してしまった「身体」についての様々な思考を再度取り出し考えます。
「身体を定義する言葉は、比喩が多く、習慣や行動を後押ししていきます。言語化されることで、本来あるべき本質とは異なる、また別の本質となります。でも私たちの行動について2つも本質があるとは、わかるはずもありません。それは、文化とは別に考えられる行動の本質なのでしょうか? 身体の組織は、記憶を同種の祖先から積み重ね、受け継いでいます。消えることのない、フィルターを持たない潜在的な記憶です。」
「『ピンクの錆』は、 身体に行き渡る、ある共鳴について焦点をあてます。体は母性を拒絶することなく、一般的な考えを適用します。一般的な考えとは、母性本能が作り出されたことにより科学的に保証され、人的資本を生み出すために有効なのです。閉鎖と開放は、そのどちらも外れることなく、一つの言葉を作り出すべく距離を保っています。明らかにその2つは離れています。そこには距離があるのです。」
「近づくものに似せて、同じになるのはよくありません。次から次へと様々なモデルを取り入れることで、私たちは顔や形、言語を、自分を支配するものに順じて変えていくからです。」 ー サラ・ベナグリア
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