ブルース・マクリーン



CCA Islandsは、ロンドンを拠点に活動するブルース・マクリーン(1944年グラスゴー生)の映像作品「I Want My Crown」を、2026年9月14日から11月20日まで上映します。
今回上映する「I Want My Crown」は、マクリーン自身が頭上にある王冠の彫刻を何度も指差しながら、ケヴィン・コインの1973年の同名曲「I WantMy Crown」にあわせてダンスを踊っている姿が映し出されているものです。
王冠は頭の上にある、指をさしたその先にあるのに、実際に自分の頭の上にのっているわけではない。
美術界の権威や「アート」にまつわる私たちの思い込みを、ユーモアと皮肉をもってその本質に迫っていくマクリーンならではのアプローチが実感できる作品です。
60年代、グラスゴー・スクール・オブ・アートやセントラル・セント・マーチンズで学んだマクリーンは、絵画やパフォーマンス、写真など様々な媒体を使い作品を発表していますが、「自分は彫刻家だ」と言い切ります。
作りだすものは「アート」なのかもしれないが、アートになることを意図してやっているわけではないと言い、既存のアートの定義やヒエラルキーに疑問を投げかけてきました。
例えば、マクリーンが1971年に発表した「Pose Work for Plinths」は、彼が在籍したセント・マーチンズの彫刻学科で教鞭をとっていたアンソニー・カロらの、台座をなくし彫刻を直接床に置く、野外に置くなど当時の前衛的な試みに関連する、彫刻と台座の論争への応答でした。 マクリーン自身が台座の上で様々なポーズを取る姿を収めたもので、その論争を一つのジョークとした作品です。
1971年に結成したグループ「ナイス・スタイル(Nice Style)」では、様々なシチュエーションで「かっこいい」と思われるポーズをひたすら決めるいうパフォーマンスを行いました。 いつものようにユーモアとともに「表面的な格好良さ」をあえてなぞることで、これまでにない全く新しい表現を生み出そうとしたこの試みについて、マクリーンは「パフォーマンス・アートではなく、僕たち自身が彫刻だった」と語っています。
ただポーズをとったり踊ったりしているだけなのに、観客に「もしかしたら別の意味があるのでは?」と思わせる仕掛けが、マクリーンの作品にはいつも存在するのです。
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