リクリット・ティラヴァーニャ

Title
THOMAS DEMANDs HERE
Date
2013-03-04 - 22

CCA北九州プロジェクト・ギャラリーでは、チェンマイ、ニューヨークおよびベルリンを拠点に活動するアーティスト、リクリット・ティラヴァーニャの新作を発表しました。

 2008年1月、CCAに滞在していたドイツのアーティスト、トーマス・デマンドは、小倉のとある駅からそう遠くない駐車場の真ん中に、おもしろい建物を見つけました。 妙に細長く、とても変わった場所に建つその3階建のビルに、たぶん偶然、出くわしたのでしょう。さらに調べてみると、そこが、とても小さいカラオケバーだということが判明したのです。そして、2008年3月からのプロジェクトでは、デマンドはこの小さな 建造物、その不思議な建造物と敷地をめぐる作品をつくり、CCAプロジェクト・ギャラリーで展示しました。

 それからというもの、このバー「黒ラベル」は、CCAを訪れる多くの人たちの立ち寄り先となりました。トーマス・デマンドのプロジェクトとの関連に加え、CCAに招待された人たちみんなを温かく迎え、もてなしてくれる、とても素敵なバーの女主人、池上晢子(てるこ)さんの存在もその理由です。

「僕が最初に黒ラベルを訪ねたのは、1年ばかり前のことです。CCAプロジェクトの準備も兼ねてCCAを訪ねた時でした。建物のある場所と驚くほど狭く小さな空間だったということが主ですが、快く、興味の尽きない場所としてのバーを体験できてとても楽しい時間を過ごせました。そして何よりも心をひかれたのは、お客さんが池上さんから感じる雰囲気と温かさ、気持ちよさであり、彼女の魅力と優しさに魅了されたのです。そのすばらしい印象から、みんなの体験と交流の場である「黒ラベル」の、別のストーリーを作品にできないかと考え始めました。今回のプロジェクトのタイトル「THOMAS DEMANDs HERE」は、トーマス・デマンドの作品を出発点として始まります。彫刻的な要素と、さまざまな関係しあう要素を組み合わせてこのプロジェクトをつくりあげたいと思います。2001年に僕がCCAで発表した作品のように、今回も日常の様子から見えてくること、そして北九州に住む人たちを通じて、地域性と実存するモデルを作品に取り入れながら。」 —リクリット・ティラヴァーニャ

リクリット・ティラヴァーニャは、リサーチプログラムの教授として2013年2月16日から3月4日までCCA北九州に滞在しました。

This post is also available in: 英語


Category
Artist
リクリット・ティラヴァーニャ
Date
2013-03-04 - 22

Biography Book/Others Book/Others Gallery Gallery Gallery