ピピロッティ・リスト

Title
初期のビデオ作品
Date
2018-01-15 - 2018-03-02

現代美術センターCCA北九州では、「ピピロッティ・リスト:初期のビデオ作品」を、2018年1月15日から3月2日までCCAギャラリーにて開催します。

ピピロッティ・リスト(1962年生)は、ビデオを用いた作品で知られるアーティストです。ビデオを作品に取り入れる最初の世代のアーティストが登場したのは、60年代後半頃のことです。80年代より制作を始めたリストは、その次の世代を代表するアーティストと言えるでしょう。60年代〜70年代では、ビデオそのものの特性(記録、再生)を意識した作品を制作するアーティストが多かったと言えます。しかし70年代以降、カラーテレビやビデオプレーヤーといった機材が広く普及し、80年代では、より多くのテレビ番組が制作されるようになり、次第に人々の生活や文化の一部となっていきます。リストは、そういったテレビ番組やポピュラーカルチャーの要素を柔軟に吸収しながら、独特の世界観を展開していきました。自然や、日常よく見かける光景をバックに、抽象的で、豊かな色彩で繰り広げられる映像には、リスト自身が度々登場し、本人が歌っている音楽が用いられることもよくあります。90年代になると、特定の空間の形に合わせたインスタレーションを次々と発表していきます。

これまでに、ヘイワード・ギャラリー(ロンドン、2011)、サムソン美術館リウム(ソウル、2012)、ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク、2008)、ポンピドー・センター(パリ、2007)など、各国の美術館で個展を行っています。CCA北九州でも2000年にプロジェクトを行い、その他国内では原美術館(2007)や丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(2008)などで展覧会を開催する他、瀬戸内国際芸術祭(2011より常設)やPARASOPHIA京都国際現代芸術祭(2015)などで作品を発表しています。ヴェニス・ビエンナーレ、サンパウロ・ビエンナーレ、リヨン・ビエンナーレ、ベルリンビエンナーレ、シドニー・ビエンナーレや横浜トリエンナーレといった国際美術展にも多数参加しています。

今回CCAギャラリーで上映されるのは、80年代から90年代に制作され、この時期にリストの作品で主題になることが多かったセクシャリティや女性のイメージに着目した4本の映像作品です。特殊効果を用いて輪郭や色彩を変化させ、ポピュラー音楽や自らの音楽を流す映像の中で、私たちが抱く男女の身体についての考えや有名ミュージシャンの大衆イメージといったものを、現実的、そして非現実的な世界の両方の観点からとらえていきます。

上映作品:
Sexy Sad I (1987) 4’30”
You Called Me Jacky (1990) 4’02″
Pickelporno (1992) 12’
I’m a Victim of This Song (1995) 5’50”

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Category
Artist
ピピロッティ・リスト
Date
2018-01-15 - 2018-03-02

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