Title |
黒ラベル |
Date |
2008-03-24 - 2008-05-30 |
人々やさまざまな考え、そしてそれらの宿る空間とのあいだにはどんな関係性が存在するのだろうか?“それはそうかもしれないが、もっと別のやり方もあるかもしれない”という意見ではなく、“もしそれがこうなら、それはこうでなくてはいけない”と言えるような原因と結果の両方が引き起こす真の深い関係性というようなものがあるかどうかなど、誰にも分らない。
– エットーレ・ソットサス
トーマス・デマンドは、CCA北九州で行うプロジェクト「黒ラベル」で、北九州市にある、まるで関係のなさそうな次の二つの場所を結びつけました。市の中心小倉の新幹線駅にほど近いバー「黒ラベル」と、そこから6キロほど離れた八幡にあるCCAプロジェクト・ギャラリーです。
この展覧会は2カ所で開かれました。まず、何の展示もないCCAのギャラリーを再現したものの写真が、現在バーにある鏡と入れ替わりで掛けられます。その一方で、三方向から見た「黒ラベル」の建物の眺めがCCAギャラリーに展示されます。すべての画像は、2008年1月のアーティスト自身の北九州滞在をもとに本人が制作した、実物と同寸で再現した厚紙による模型を撮影したものです。
『黒ラベル』という小さなバーにデマンドが最初に興味をそそられたのは、周りの何とも関係をもたなさそうな、その驚くべき七角形の形でした。この3階建ての建物には、5席の小さなバーにちょうどのスペースと、上階の二つのカラオケルームがあります。もともと100メートルばかり離れた場所にあった店が、10年ほど前に、大きな複合施設の建設のための移転代替地として現在の場所を得て他の店舗とともに移って新たに開いたバーです。代替地の契約期限のため周りが再移転した後、唯一の建物としてあるものの、道路計画との関連でこの展覧会の会期中にも契約更新の可否の決定がされる予定です。
この一風変わった並列によって、白い四角いスペースによくあるCCAの展覧会スペースの雰囲気が、地元のバーのさまざまなものが飾られたなかに、一時的に展示されるべく移動するのです。
CCAプロジェクト・ギャラリーは月曜日から土曜日、午前10時から午後5時まで(日祝休)開館、「黒ラベル」は毎日午後6時から午後11時まで(または最後の客が去るまで)営業しています。
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