ヨナ・フリードマン

Title
ラグーンの上の空中都市
Date
2005-06-09 - 2005-09-12

ヨナ・フリードマンのヴェニスでのプロジェクト「ラグーン潟湖)上の空中都市」は、1969年にヴェニス市に向けた提案をベースにして、そのドローイングをモノクロとカラーによる大判プリントにし、ヴェニスの最も中心であるサンマルコ広場ガレリアの中庭と、サンマルコとビエンナーレ会場をつなぐスキアヴォニ河岸の2カ所にそれぞれ展示したものです。

‘ヴェニスという古い都市は追い詰められているようだ。その復興には実際より費用が嵩み、その一方で、進行し続ける街の劣化は計り知れない損失となっている。
どうすればヴェニスを救えるのか? 重要な記念的建造物だけでなく、生きている都市を。ヴェニスのみならず、ヴェニスに住む人たちを。’
‘ヴェニスはすべて実際的に造られている。その文化財としての無比の特性は、本土にあるより、都市の成長を不可の雨にする。メストレは別だが、そこはヴェニスではない。都市の発展を確保する別の解決法があるはずだ。それはラグーンの上に建造するということ、つまり都市景観を損ねることない場所に。’
‘広い間隔をあけて建つ柱に支えられたスペースフレームを基盤とする「空中都市」(私が50年に渡り展開している構想)は、技術的にも審美的にもその答えとなるはずだ。Venetia Nuova(新しいヴェニス)という私の最初の提案は1969年のことだった。ラグーン上の「空中都市」と、ヴェニスを本土へと結ぶ橋上に造られる「橋の街」は、そこにふさわしい都市の拡張となるだろう。多くの船が集うような会場の居住地や、オフィスや施設をかかえる商店街「メルチェリア」を作り上げ、人々の暮らす橋。ラグーンに浮かぶシャンゼリゼのように、新しい形態のなかで、古い都市の精神と調和するのだ。このプロジェクトは、新たな拡張のもとで水面を手つかずに保つことで、水路が都市全体をうまく巡り続けるようにするだろう。新しい都市も、古い都市も。新しいヴェニスを示唆するイメージとしての、技術的でなく意図的なドローイングを展示するものである。’

ーヨナ・フリードマン「Venetia Nouva」より

会場:ベヴィラクアラマーサ財団サンマルコ広場ガレリア中庭、およびスキアヴォニ河岸
主催:現代美術センターCCA北九州 ベヴィラクアラマーサ財団
協力:domus Insula

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