Title |
火星から来た少年 |
Date |
2006-02-20 - 2006-03-31 |
CCA北九州プロジェクト・ギャラリーでは、フィリップ・パレノによる「火星から来た少年」(2003)を発表しました。
「火星から来た少年」は約11分間のフィルムで、タイ、チェンマイ市で撮影されました。ロケ地となったのは、アーティストでパレノの親しい友人でもあるリクリット・ティラヴァーニャが、他のアーティストたちとともに「ランド財団」を始めた場所です。その一角に、パレノと建築家のフランソワ・ロシュは「ハイブリッド・マッスル」(混成の力)と呼ばれる建物を建て、それがこのフィルムの舞台背景となっています。 パレノいわく、「ハイブリット・マッスル」が「このフィルムのシナリオを提供し、同時に、フィルムがこの建造物を作りだしたのです」。
フィルムの中で、「ハイブリット・マッスル」は水田と森に囲まれ、日光や時間、動物、人々により異なる様相を見せます。建物自体、内側からオレンジの光を放ち、そのチューブのような独特の形状にもかかわらず、時間を経てその環境に調和していくようにも見えます。全編を通し静かに映像は流れていき、最後にディヴェンドラ・バンハートによる音楽が挿入されています。
2002年、パレノはCCA北九州にリサーチプログラムの教授として滞在し、プロジェクトを行うと同時に、CCAアーティスト・ブック・シリーズとして「火星から来た少年」と題した本を制作しました。フィルムの静止画から構成されており、冒頭には「“火星から来た少年”はパレノとロシュの間のゲームの第一の要素である”」と書かれています。
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