Title |
自分の王冠が欲しい/スープ(コンセプト・コンソメ) |
Date |
2014-12-15 - 2015-01-16 |
CCA北九州プロジェクト・ギャラリーでは、ロンドンを拠点に活動するブルース・マクレーン(1944年グラスゴー生)の作品を発表しました。
60年代、ロンドンのセント・マーチン美術大学の学生だったマクレーンは、スタジオで制作するような絵画や彫刻といった、当時の保守的なアートの在り方に反抗し、屋外で制作したり、自らの体を「彫刻」として使用するなど、アートに関する定義や美術界のヒエラルキーをユーモアと皮肉を込めて批判していくことで、アートの概念の変革を試みていきました。それはマクレーンのパフォーマンス作品の中でさらに発展していき、中でも他のアーティストと共に「世界で初めてのポーズ・バンド」として結成されたグループ「ナイス・スタイル・バンド」の活動が知られています。「ナイス・スタイル・バンド」は、「かっこいい」と思われるポーズをとるというパフォーマンスを様々な設定において行うグループであり、社会の中で当然のように受け入れられている慣習や考え方を批判するものでもありました。
マクレーンとほぼ同時期にセント・マーチン美術大学に在籍していたハミッシュ・フルトン、ギルバート&ジョージ、バリー・フラナガン、リチャード・ロングといったアーティストたちも、マクレーンと同様、ロンドンの美術界で力を握っていた教官たちが提示するアートの定義に対抗し、それぞれ独自に活動を展開していきます。マクレーンやこうしたアーティストたちの数々の試みは、現在では当たり前のように見られる現代アートの表現方法やその考え方を生み出す一つの牽引力ともなったのです。
ブルース・マクレーンは現在でもパフォーマンスの他に、ペインティングやフィルムなど様々な媒体を用いて精力的に活動しています。
CCAプロジェクト・ギャラリーでは、「自分の王冠が欲しい」(2013)と「スープ(コンセプト・コンソメ)」(2010)の2つのヴィデオ作品を公開しました。
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