Title |
鶴足鹿跡 |
Date |
1999-01-29 - 1999-02-18 |
CCAプロジェクト・ギャラリーでは、ファン・ヨン・ピンの新作を発表しました。
ファン・ヨン・ピンは、二種類の鉱物と動物を松の樹とともに鏡面貼りの床に配することで、中国、道教の煉丹術における「物質転変」の世界を再現しました。2つの鉱物は、古代の煉丹術で使われた最も重要な石薬とみなされ、丹砂は水銀に、雄黄は黄金に変わるという一種独特の「生成力」があるとされています。また、鶴と鹿は、古来、神聖な動物であり、神秘的な世界へと人を運ぶ仲立ちとしての象徴的な意味をもつものです。
隠喩的な意味性のあるこうした動物や植物、鉱物を用いるインスタレーションによって、ファン・ヨン・ピンは、より効果的かつ意味深長に、さまざまな文化のなかに潜む現実を浮き彫りにしようと、文脈を変化させ超越していくのです。同時に、古代の煉丹術と今のアートとの関連も明らかになります。煉丹術とは、物質および精神世界のなかで、ありきたりなものを別のものに変えるという術であり、現代のアートも、単純化して読み取ることはできないのです。ちょうど、石が金に変わればその逆もあるように。
ファン・ヨン・ピンは、リサーチ・プログラムの教授として1998年12月16日から1999年1月31日までCCA北九州に滞在しました。
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