Title |
N33°51.917' E130°47.808' |
Date |
2002-01-28 - 2002-02-15 |
CCA北九州プロジェクト・ギャラリーは、グルッポA12の新作を発表しました。
どうすれば北九州の地図をゼロから描くことができるのか? そしてその手段と戦略は?
今回のプロジェクトでグルッポA12は、この2つの問いを中心として、未知の場所、北九州において昔の探検家や地理学者の姿勢と作業を反復しようと試みました。あえて情報不足の状況をつくり、道に迷ったり、都市の徘徊のパターンの定義を求めること、即ち、“テラ・インコグニタ(未踏の土地)”として北九州をみなすことで、観測者があらかじめ既定した考え、感じ方、物の見方についての根拠が得られます。それにより、都市と領域がグルッポA12の持つ文化的背景によって記述される様が浮かび上がってくるのです。
初めに、地図を使わない不自然な状況をつくり、2ヶ月にわたる調査での重要なポイントや道路を記録するためにGPS受信機が使われました。北九州一帯から得られたものの描写及び、メモ、スケッチ、調査中に見つかった物体、写真、ビデオを含む視覚的な輪郭を得るために、GPS受信?で得たデータはCADの図面にインプットされたのです。米国の軍事産業/研究により開発された精密な電子システム、GPSを利用することで、主観的経験の記録への評価基準の設定が科学的手段により可能になった19世紀の地理的探検の伝統との類比が行われました。北九州周辺を動き?りながらたどられる進路は、噂や空腹感、全体の眺めを見ようと高い所に登ること、地元の人や旅行者からの提案、不規則さ、天気、交通網、喉の渇き、好奇心、親しみと記憶といった事柄により形作られていきました。できあがった地図は、ある地域についての客観的な2次元の表現というよりも、“旅行記”の延長となって、発見と歩き回った軌跡の事実を物語るものになったのです。
タイトル「N33°51.917′ E130°47.808’」はCCAの緯度と経度を表しています。
グルッポA12は、リサーチ・プログラムの教授として2001年12月から2002年1月までCCA北九州に滞在しました。
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